2021年よかった作品!!!! +2021年活動まとめ

 

 

良かった作品

 2021年はおそらく労働であらゆる創作物を見る気力を奪われるだろうと年明けに思ったので、かえって積極的に映画や文章や漫画を読んだり見たりするようにしていた。良い作品を見つけようと頑張ったつもりだけれど、ピンとくるものが少なかった。それは、自分の感受性が低下しているのか、もしくはそもそも合う作品がなかったのか、後者だと信じたい。

 一番心を動かされたのは音楽だったような気がする。クリスタル・キャッスルズとかIC3PEAKとかLittle Bigとかそこいらの音楽を聴きながら仕事終わりにチューハイを飲むのが幸せだった。クリスタル・キャッスルズのイーサンはムショにぶち込まれたので音楽を作れなくなってしまった。何があったのかは知っているけれど、それでも、彼の新曲が聴けないのは辛い。もちろんアリスの曲も素敵です。それとは別にイーサンの曲が好きだったし、初めて彼らの音楽を聴いた時から何年か経ってもなお、彼の曲以上にしっくりくる曲を見つけるのはなかなか難しいなと思っている。

 彼の曲が好きなのは、本当に誰にも否定されたくない(彼がどんなに最低なことをしようと、です)。

 

 作品に関する詳しい感想はあんまり書く気力が起きなくて(あと冬コミで頒布した設定資料集に、あらゆる作品について言及したため疲れたのもある)名前と一言コメントを羅列することでよかった作品を紹介する。

 

映画

殺人の追憶

ポン・ジュノ監督。当然ながら良い。韓国の農村地帯の雰囲気がよく出ているし、キャラも立っているし、鬱屈とした雰囲気は漂っているけれど乾いている。たまにクスッと笑えるシーンもある。

 

・殺人の告白

韓国のB級映画。完成度高い。伏線回収も完璧と言っていいと思う。適度な胸糞悪さ、韓国映画特有のグロさもあるし、サスペンスとして高い密度で作り込まれている。

ポスターがパク・シフさんという人気韓流イケメン俳優を大写しにしているので「どうせ話題作りにイケメンを起用しただけの映画なんやろ?」と最初は思い込んでいたが、それすらも伏線にしてしまう構成力の高さ。サスペンスのお手本みたいな映画だった。

日本でリメイクもされているらしいので好きな方を見たらいい(個人的には韓国版のが面白いと思う)。

あと、アクションシーンは絶対にいる。いるったらいる。

 

シティ・オブ・ゴッド

当然ながら良いやつ。なるべくしてなった悪ガキとそうならなかったガキがかわいい。

 

・まともな人

城戸さんが見てたので見た。タイトルが嫌な感じだし本編もずっと嫌な感じがする。観るの辛かったです。

 

・天使のくれた時間

こういうの弱い。「素晴らしきかな人生」とか。「もう一つの人生」系映画で泣かないやついる?

 

・息もできない

これもよかった。

 

テルマ&ルイーズ

名作を見ておこうと思って見た。いいやつだった。

 

・ロミオ&ジュリエット

グレート・ギャツビー」のバズ・ラーマン監督の映画。よかった。ビジュアルで押すやつ。

 

 

・あなたに不利な証拠として

これよかった。アメリカの女性警察官のリアルらしい。

 

・ミルクマン

嫌いな作品になる一歩手前だった。でも嫌いになったら負けな気がして、頑張って読んだ。

語り手の生きた時代の閉塞感や理不尽さを強く訴えかけてくる。最後までかなり救われない。語り口調は軽妙だがそれが逆に辛い。親も恋人も友達も全員冷たいし、ほとんど主人公の味方がいない。主人公が窮地に陥った時、都合良く助けてくれる人間も現れない。なので、本当にわずかな希望を見つけようとする主人公を応援したくなる。というか応援しようという気で読んでいないと読み進めるのが難しかった。彼女の置かれている状況がかなり厳しく、それは頑張ってどうにかなる問題ではないらしいので。

こういう戦時下の作品は暗くなりがちだしなんなら主人公に怒りを覚えることもあったりするけど(悪童日記とか)「ミルクマン」の場合わりと理不尽さについて説明を加えてくれるのであんまり怒りとか覚えなくてよかった。不条理って感じがあまりしない。

固有名詞を省き、名前のない人々として書くことで物語に普遍性を持たせているという感想を見かけて、確かにそれはいいなと思った。メイビーBFとかちょっと笑う。

 

・回転する世界の静止点

再読。Pハイスミスの短編は後味がほんのり悪くていい感じだし、人間は哀れな存在だけど毎日頑張って生きてるんだよなって元気をくれる。不快さの匙加減がうまい。この作者は下品な限界鬱ポルノを書いて悦に浸らないだろうという安心感がある(たまに全てを諦めたような、人間がゴミみたいに扱われる作品もあるけど、多分低俗さは自覚している)。あと、タイトルもいい。

 

・ここから世界が始まる

カポーティの掌編集。別に良いんだけど、カポーティってもしかして性格いいのか?って思った。もうちょっとニヒルな感じかと思ってた。他の作品も読んでみないとなんとも言えない。

 

 

他には多摩美Youtubeのデザイン講義とか見てたりした。深澤●人の講義がおもんなすぎて泣いた。デザイナーが職人って考え方があんまり好きじゃない。ただそれ以外のデザイナーの授業は面白かった。

 

 

 今年はカーヴァーとかチャンドラーを読みたいです。

 

 

2021年の活動

 

 あんま動けてないです。いや、動いてはいますが色々行き詰まったり作業が果てしなかったりで完成する目処が立ってないです。Summertimeの作品を待っている方がいらっしゃったら、とても嬉しいことです。気長に見てくれるとありがたいです。制作しているゲームの詳細は言えないですがめっちゃスチル描きました。

 今年は冬コミで設定資料集を頒布しました。スペースに来ていただいた方や差し入れ、Boothの通販で購入いただいた方やBoostしてくださった方、本当にありがとうございます。収益はゲームを派手にするために使ったり、コーヒー代にします。早速設定資料集についてご感想くださった方もいて、感謝です。この本にはペイシェント・ゼロっていう短編がついてますが、何か面白かったところとか逆に不満だったところとかあれば適当に感想書いてくれると嬉しいです。

 レビューやご感想もありがとうございます。多分ほとんど見てます。励みになっていたり、逆に気を引き締め直したりしてます。感想はなんでも嬉しいしゲームのスクショだけでも嬉しいです。

 今年は何かしらゲーム出したいと思ってます。頑張ります。

 今年もよろしくお願いいたします。